究極のコミュニケーション
現在の高校入試問題は、考える要素が数多く含まれるものになっています。
ここで肝心なのは、問題に取り組むときは次の3つの場面を強く意識することです。
① 問題の内容を理解する場面。
② 答えにたどり着くまでの過程で考える場面。
③ たどり着いた答えを表現する場面。
今回は①の「問題内容を理解する場面」についてお話しします。
これはつまり、「読む」ことに力点を置くべき場面があるということになります。
例えば、理科の問題は実験をテーマにしたものが出題されます。
一度は見たことがある問題でも、実験の手順が一つ変われば結果が変わってきます。
メンデルの優勢の法則を利用した実験では、親、子、孫のどの種子を交配させるかで遺伝子のパターンが大きく変わります。
暗記では対応できないため、実験内容を読み取り、結果がどうなるのかを考えなければなりません。
数学の問題にも読解の要素がかなり含まれています。
確立の問題では、じゃんけん、さいころ、カードなどのゲームをして、その結果を予想するものがあります。
初めて出会う問題が多いので、そのゲームの内容が理解できない限りは思考の第一歩を踏み出すことはできません。
たとえ大まかな予想で無理やり思考を推し進めたとしても、第一歩目から全く正解とは違う方向へ進んでしまうことの方が可能性は大きいでしょう。
これらのことから、どの科目でも問題文の隅々をくまなく読みほどき、作問者が解答者に何を求めているのかを理解する力を養う必要があるのです。
テスト問題は「作問者から解答者へ送るメッセージ」なので、何度もやりとりのできない一度限りの究極のコミュニケーションだと私は考えています。
したがって、問題の主旨を理解するためにはさまざまな工夫をする必要があるのです。
現在、中学3年生の生徒さんは高校入試に向けて問題を解いています。
三股学習塾の入試対策では、どんな場面で何をすることがしっかりとした読解につながるのかをトレーニングしています。
このトレーニングで究極のコミュニケーション力を身につけてくれることを期待しています。